2004.01.30 母放置しパチンコ、凍死させる

被告人は,石川県加賀市a町b番地被告人方において,自力で起きあがることができず,自力による食物摂取及び排泄処理ができない老年者かつ病者である実母A(当時87歳)と2人で居住し,同女を保護すべき責任を有するものであるが,平成16年1月30日午前11時ころ,同市福祉保健課職員から上記Aの入院準備資金としての援護費3万円の給付を受けたことを奇貨として,同県金沢市内でパチンコ遊興にふけることを企図し,同女の看護等生存に必要な措置を講ずることなく,同女を上記被告人方に置き去りにして遺棄し,よって,同年2月2日ころ,上記被告人方において,同女を栄養不良及び寒冷のため凍死させるに至らしめたものである。本件は,自力で起きあがることができず,食物摂取及び排泄処理もできなくなった実母と二人で居住していた被告人が,パチンコにふけるため,同女を自宅に置き去りにして遺棄し,栄養不良及び寒冷のため凍死させたという保護責任者遺棄致死の事案である。被告人は,平成9年に妻と離婚し,それ以降,実母である被害者と二人暮らしをしてきたが,漁協の仕事をアルバイト的にしたほかは定職に就かず,収入もほとんどなかったため,父親の遺族年金や被害者の国民年金,さらには消費者金融業者らから借金して生活しつつ,趣味のパチンコにふけって数日間家を空けることを頻繁に繰り返していた。そして,平成15年12月中旬ころには,上記年金のほとんどをパチンコに費消し,食料品の購入資金に困窮して被害者に十分な栄養を摂取させることもできない状況になっていた。平成16年1月20日ころになって,加賀市福祉保健課職員の対応により,被害者の病院への入院が決まったが,被告人は,同月30日,上記職員から被害者の入院準備資金としての援護費3万円の給付を受けたことを奇貨として,金沢市内でパチンコにふけろうと思い立ち,被害者が栄養不良で衰弱していたことを十分に認識しながら,被害者を置き去りにして遺棄したものである。3 パチンコにふけるため,被害者を遺棄したという自己中心的かつ身勝手な動機に酌量の余地は全くない。寒冷な時期である1月末に栄養不良状態の被害者を自宅に置き去りにすれば,その生命に危険が生じることは十分に予想されるのに,食料を被害者の手の届くところに置いたり,暖をとるための措置を講ずるなどの被害者の生存に必要な最低限の看護措置を講ずることなく,被害者を遺棄したのであり,その犯行態様は極めて悪質である。被害者は死亡しており,結果は誠に重大である。実の息子から遺棄され,酷寒の屋内で一人寂しく息絶えるに至った被害者の心情は察するに余りある。

  • 最終更新:2010-08-18 08:08:27

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