2004.05.31 パチンコで金に困り強盗殺人、奪った金でまたパチンコ

昭和59年には被告人の母親が,平成元年には被告人の父親がそれぞれ亡くなり,被告人は,両親の生命保険金等1000万円を遙かに超える金を入手したものの,これらを全てゲーム機賭博に費消してしまい,さらに平成二,三年ころからはパチンコに熱中するようになり,そのため銀行や消費者金融会社等から借金を繰り返した挙げ句,借り入れが出来なくなったため,勤務先の金を使い込んだりした。被告人は,その勤務先において指示に対し口答え等せず,喧嘩等のトラブルも起こさないという評価を受けることが多かったが,その一方で,使い込みや無断欠勤等の理由により解雇されることもあり,職を転々としていた。その間,被告人は,パチンコに加えてパチスロにも手を出すようになり,また,平成11年には勤務先の同僚であるA(以下「A」という。)の名義を借りて消費者金融会社から借金をするなどしていた。この借金は,Aがさらに借り入れをしたこともあって約100万円に達し,被告人はAやB(以下「B」という。),C(以下「C」という。)と話し合い,Aに対する返済として,平成14年9月以降毎月2万円を支払うようになった。その回収のため,当初はB及びAが,後にはC及びAが被告人方へ赴いて返済金を受け取っていた。2 被告人は,昭和62年に婚姻し,妻との間に5子をもうけた。その生活は,被告人が給料をしばしばパチンコやパチスロで費消してしまったこともあって苦しく,公共料金や家賃などの滞納が続き,平成16年2月には水道を止められてしまった。被告人は,Dを殺害して同人から金員を強取しようと企て,平成16年5月31日午後7時50分ころ,青森県むつ市a町b丁目c番d号アパートe階D方において,同人(当時75歳)に対し,殺意をもって,同人の左後方から両手でその肩部及び頚部をつかんで仰向けに引き倒し,左手で同人の頚部を強く絞め付け,さらに自己の両前腕部で同人の頚部を挟んで強く絞め付け,よって,そのころ,同所において,同人を頚部圧迫により窒息死させて殺害した上,同所にあった同人所有の現金合計約10万2000円を強取したものである。

土木作業員伊勢被告はゲーム機賭博やパチンコなどで借金を抱え、家賃を滞納するなど生活に困っていた。2004年の春からは、借金返済や子どもの学費、生活費を工面するために、青森県むつ市のアパート経営者の男性(当時75)宅の新築工事に雇われて収入を得ていた。2004年5月31日、伊勢被告は夕方までに給料の大半をパチンコ店で使ってしまったため、男性に借金することを思いついた。同日夜、男性宅を訪れて借金を申し込んだが、「お前みたいなやつに金を貸す気はない」などと言われて、男性の殺害を決意。午後7時50分頃、男性方居間で、起きていた男性の背後から肩と首をつかんで仰向けに引き倒し、左手で首を絞めた上、両腕で挟んで締め付けて圧迫し、窒息死させた。その後、伊勢被告は室内の数カ所から現金合計約10万2000円を奪った。被告は強奪した金で借金を返済し、残った金は生活費やパチスロや宝くじの遊興費に充てた。伊勢被告は初公判で起訴事実を全面的に認めたが、第二回公判以降は現金目的ではなく、被害者に家族を侮辱されたことに憤慨し殺害したと主張。弁護側も被告が女性に借金の申し込みをした際に「ろくに仕事もできないのに、金は貸せない」などとののしられたことに腹を立てて殺害し、その後で室内の金を盗んだとして、「罪名は強盗殺人ではなく殺人と窃盗に該当する」と意見を述べた。検察側は、殺害時に金品を奪う意思が認められ、捜査段階の供述も信用できるとして強盗殺人罪にあたると主張した。高原章裁判長は「わずか十分の短時間で、殺害し金を奪って逃げたのは、殺して金を持ち帰る意図があったと認められる」と、強盗殺人罪を認定した。量刑理由では「被告人が反省していることなどを考えても酌量減軽はできず、厳罰をもって臨むしかない」と述べた。


  • 最終更新:2010-08-25 22:44:59

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