2004.10.12 元妻への金をスロット稼ごうとし借金がかさみ強盗殺人

平成16年9月29日午後10時17分ころ,福岡県前原市大字の西側路上において,同所を通行中のB(当時54歳)から,同女の所有又は管理に係る現金約2万6000円及び財布等11点在中の手提げバッグ1個(時価合計約4万1600円相当)をひったくり窃取した。C(当時79歳)を殺害して金品を強取しようと企て,同年10月12日午前10時40分ころ,福岡市の同女方に,かねて同女に販売した浄水器の点検で訪問したかのように装って玄関口から侵入し,同日午前11時40分ころ,同女方4畳半居間において,殺意をもって,同女に対し,その背後から所携のアンテナケーブルを同女の頚部に巻き付け,その両端を両手で強く引っ張り,同ケーブルが両手から外れるや,同女の頚部を両手で締め付け,その顔面を手拳で殴打し,さらに同ケーブルを同女の頚部に巻き付けて,強く締め付け,よって,そのころ,同所において,同女を絞頚,扼頚あるいは絞頚兼扼頚に基づく窒息により死亡させて殺害した上,同所にあった同女所有の現金約1万7000円,手提げ金庫1個(時価約1000円相当),預金(総合口座)通帳1通,印鑑1個ほか3点を強取した。

被告人は,元妻に生活費として毎月20万円を渡すために,福岡でより給料の良い職を探し,警備会社のアルバイトやパチンコ店店員などを経て,平成16年6月ころ(以下,年の記載のないものは「平成16年」を指す。)に浄水器を販売する会社に就職した。月給が十万円台であっても,元妻から甲斐性なしと思われたくないとの考えから,同女には月に20万円位を渡すようにしていた。そして,実収入と元妻に渡す額との差を埋めるために,これまでの貯金を食いつぶし,ついには消費者金融会社から借金をするに至った。その借金返済のために,被告人はスロットで金を稼ごうと考え,更に借金を重ね,次第にその額はふくらんで行き,本件犯行直前には総額200万円以上に達しており,更なる借入などできない状態となった。

元浄水器訪問販売会社社員田中被告は、2004年10月12日正午頃、浄水器販売で面識があった福岡市中央区の女性(当時79)宅を訪れて上がり込み、アンテナケーブルで女性を絞殺。預金通帳を奪い、250万円を引き出した。田中被告は会社を 8月に退職し、生活費の工面に困っていた。また、消費者金融などに約200万円の借金があった。

田中被告は公判で「侵入前は殺害する意思はなかった」と述べ、確定的殺意を否認していたが、谷裁判長は「殺害に使用したアンテナケーブルを自宅から持参している。計画性を認めた捜査段階の供述調書も具体的で迫真性があり、信用性が高い」として殺意を認定。「見えのため当時の妻に毎月20万円渡さなければならないと勝手に思いこんで借金を増やし、幸せな生活を守るために短絡的に犯行に及んだ。浄水器の点検と信じ込ませ親しげに世間話している際に被害者に襲いかかっており、殺害方法は執拗かつ残忍」と非難した。そして判決理由で「経済的苦境に陥った自分の生活を守るための犯行で酌量の余地は皆無。計画的な犯行で強固な殺意があった殺害方法も残忍」と指摘。「被告は反省しているが、酌量減軽するほどの事情はない」と述べた。

  • 最終更新:2010-08-25 23:04:28

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