2005.04.06 パチンコで中絶費用稼ごうとした男、強盗殺人

被告人は,平成16年5月ころからAと交際を始め…Aは,平成17年1月ころ,被告人の子を妊娠したことに気付いたものの,被告人に生活力がないことから中絶しようと考え,同年2月上旬ころ別れ話を切り出し,同月下旬ころ,被告人は,被害者方を追い出されて実家に戻った。被告人は,Aの中絶の意思が固いことを知り,中絶することに同意し,さらに中絶費用30万円の半額を負担することを渋々承諾した。被告人は,金策に奔走し,知人から借金したり,勤務先のラーメン店から給料を前借りしたりして,ようやく5万円を工面し,同月4日午前零時過ぎころ,被害者が留守であることをAに確認した上で,被害者方に行き,Aに対し上記2万5000円と従前に被害者から借りていた7000円との合計3万2000円を支払ったものの,同月6日までに15万円を用意する当てはなかった。被告人は,同月5日,勤務先のパチンコ店から給料5万円を前借りし,所持金が約6万2000円となったものの,15万円にはほど遠く,これを稼ぎ出そうとスロットをして大負けし,所持金が約4000円になってしまった。被告人は,被害者方居間において,被害者に対し,金を貸してくれるはずの友人が金を工面できないため,同日中に中絶費用の負担金を準備できないので,二,三日待って欲しい旨言ったところ,被害者から「あんた都合がいいんじゃないん」「あんたは今日何しよったん。あんたの親は何しよったん」「あんたがあんたなら,その連れも連れよね」などと激しくなじられて激高し,同日午前零時30分ころ,原判示のとおり,被害者の胸部,腹部等を本件ナイフで多数回突き刺すなどして殺害した。

飲食店アルバイト小瀬義人(こせ・よしと)被告は、2005年4月6日午前0時半頃、広島市安佐北区の飲食店アルバイトの女性(当時47)宅を訪れたが、交際していた女性の長女(当時26)の入院費用を巡るトラブルから口論となり、女性の胸などをナイフで刺して殺害。さらに小銭入れを奪った後、女性の遺体などに灯油をまいて、ライターで火をつけた。火は燃え広がり、木造2階建て延べ約50平方メートルを全焼させた。小瀬被告は2004年春から2005年2月まで、女性宅で同居していた。

一審で小瀬被告は、「被害者になじられカッとなって殺害に及んだ」と、強盗殺人等の起訴事実を否認。検察側は論告で「被害者を殺害して、ついでに金を奪おうという強盗殺人の意思があったのは明らか」とした。弁護側は強盗殺人ではなく、殺人と窃盗罪の適用を求めていた。地裁は強盗殺人を認めたが、「利欲目的が殺害の動機付けになっていない」と判断。「典型的な強盗殺人とは趣を異にする」点などを考慮し、刑を減軽していた。検察側が控訴していた。判決理由で楢崎裁判長は、一審判決が「金品を奪うことが殺害の動機づけになっていない」とした点について「被告は被害者方へ向かう途中で殺害する可能性が高いことは分かっており、被害者を殺害した後も室内を物色して小銭を奪うなどした」などと改めて強盗殺人罪を認定。計画性について「ある程度の計画性を否定できない」などとして、検察側の主張を認め、「典型的な強盗殺人事案とは著しく異にするという原判決の指摘は誤っている」とした。

  • 最終更新:2010-08-25 23:01:33

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