2006.12.22 パチスロで借金の男、さらに金を奪うため母殺害

横浜市の会社員鈴木直樹被告はパチスロで借金があり、女性とのデート代など金に困っていた。2006年11月、飲食店従業員の母(当時59)のクレジットカードを盗んで50万円引き出したり、母の洋服を売ったりした。 会社へ行かないことや借金などについてのしっ責に反発と不満を募らせていた鈴木被告は、12月22日、クリスマスのデート代やプレゼント代を奪おうと包丁を持って自宅のマンションで待ち構え、午後11時25分ごろ帰宅した母の胸や首を包丁で数回刺して殺害し、現金2300円とキャッシュカード3枚を奪った。鈴木被告は浴室の片開きドアをパテで目張りし、遺体のにおいが漏れないようにしていた。また23日、鈴木被告は母が勤める店に、1週間から10日間ほど休むとの連絡を入れた。鈴木被告は犯行後、カードで現金を引き出そうとしたが、暗証番号が分からず失敗した。 鈴木被告は母と二人暮らし。12月中旬から市内の勤務先を無断欠勤していた。 28日午後7時40分ごろ、横浜市にあるマンションを訪れた神奈川県警戸塚署員が、浴室内で死亡している女性を発見した。神奈川県警は29日、鈴木被告を殺人容疑で指名手配。2007年1月1日午後、JR東京駅八重洲口前の路上で鈴木被告を逮捕した。(無期懲役判決リスト 2007)
3月15日の初公判で、鈴木被告は起訴事実を認めた。 検察側は4月12日の論告求刑で、「親への恩を忘れた背徳的犯行。無気力な生活を送り、無断欠勤を母親にしかられたのをきっかけとして、女性との交際費など遊興費ほしさに殺害に及んだ」と指摘した。弁護側は「母親も老後の生活を被告に依存していた。相互依存が犯行につながった」と寛大な判決を求めた。鈴木被告は「申し訳ないことをした」と述べた。 判決理由で木口裁判長は、「被告人はパチスロにのめり込むなど享楽的な生活態度を続け、女友達との遊興などに使う金を手に入れようとして犯行に及んだ」と指摘。その上で、「実の息子の手にかかり殺害された被害者の苦痛や衝撃の大きさ、無念の気持ちは察するに余りあり、社会的影響も軽視することはできない」とした。(無期懲役判決リスト 2007)

  • 最終更新:2010-08-04 02:08:21

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