2007.03.24 パチンコと飲酒の生活を続けるため強盗殺人

無職、橋本佐内被告は2007年3月14日に自動車窃盗などの罪で執行猶予付きの判決を受けて釈放後、市内の簡易宿泊施設に寝泊まりして、パチンコなどで浪費を続けていた。橋本被告は2007年3月24日午後2時50分ごろ、浜松に住む知人女性(当時88)宅を訪ね、10万円の借金を申し込んだ。しかし、女性に断られたため、女性の後ろから両手で首を絞め、あおむけに押し倒した後も約10分にわたって絞め続けて殺害した上、ショルダーバッグなど2点が入った耐火金庫1個(6000円相当)を盗んだ。遺体は「誰か来たらまずい」と玄関から見えない奥の部屋に移動させた。タクシーに乗せて鍵専門店に行き、金庫の鍵を開けたが、中に現金は入っていなかった。 橋本被告は約5年前に転居するまで女性宅近くに居住し、女性とは家族ぐるみで付き合う仲だった。転居後も女性の内縁の夫の葬式に出るなど交流があった。橋本被告は約2年前、年金を頼りに市内の養護老人施設に入居したが、2007年1月に退去。その後は市内の簡易宿泊施設を転々としていた。 橋本被告は25日午後2時40分ごろ、同市の金融機関のATMコーナー付近で、同市の派遣社員の女性に小刀を突き付けて脅した上、女性の顔面を傘で殴って顔に10日間のけがを負わせた。(無期懲役判決リスト 2007)
2007年11月13日、初公判の罪状認否で被告は起訴事実を全面的に認めた。 同日の論告で検察側は、被告が事件の10日前、窃盗罪の裁判で執行猶予付きの判決を受けて釈放され、以後、簡易宿泊施設で寝泊まりしていた経緯を明らかにし、「金を手に入れ、自堕落な生活を続けたい一心で、顔見知りだった被害者を狙った」と動機を説明。「ちゅうちょなく首を約10分間絞め続けて殺害し、犯行翌日にも金目的で再び別の女性を襲うなど身勝手極まりない」と指摘した。 被告人質問で被告は、犯行時の状況について「10万―20万円くらいは欲しかった。(女性を)殺すことに迷う気持ちはなかった」「申し訳ないことをしたと思う。(厳刑も)やむを得ない」と淡々と述べ、検察側や裁判官が「本当に反省や後悔しているか」「なぜ謝罪しないのか」と何度も問う場面もあった。弁護側は最終弁論で、酌量減刑による有期懲役を求めた。 北村裁判長は「パチンコに興じ、酒を飲む生活を一日でも長く続けたいというだけの理由で犯行に及んだ」「自堕落な生活を1日でも長く続けたいというだけの動機は身勝手で短絡的。強固な殺意に基づく非情かつ残忍な犯行で、人命軽視も甚だしい。今後の人生すべてをかけて罪を償わせるべきだ」と指摘した。橋本被告が女性殺害翌日にも、金銭目的で別の事件を起こした点に触れ、「人をあやめたことへの悔悟や罪を重ねることへのちゅうちょが全く見て取れない」と批判した。(無期懲役判決リスト 2007)

  • 最終更新:2010-08-04 02:11:19

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