2008.01.28 パチンコで借金の父、無理心中しようと一家惨殺

宮城県仙台市の無職米沢俊信被告は2008年1月28日午前7時30分頃、自宅で妻(当時 45)の首をネクタイで絞めて殺害。さらに40分頃、1階洗面所で中学3年の二女(当時14)の首をネクタイで絞めて殺害した。その後、自宅2階で会社員の長男(当時21)に包丁で斬りかかり、怪我を負わせた。包丁が折れたため、果物ナイフで無職の長女(当時22)に襲いかかった。長女は窓から飛び降りて逃げた際、足を骨折した。その後、米沢被告は灯油をまいて自宅に放火し、木造一部2階建ての1階茶の間が約13平方メートルを焼いた。米沢被告は空調設備業を営んでいたが、経営がうまくいかず数年前に廃業。その後、会社員として働いたものの、間もなく失業した。しかし家族には失業を隠し、消費者金融から金を借りて給料として手渡していた。合計約700万円の借金があり、事件当日は借金返済の最終期限だった。(無期懲役判決リスト 2008)
2008年7月28日の初公判で米沢被告は起訴事実を認めた。冒頭陳述で、検察側は被告は約3年前に会社をやめ、消費者金融から借りた金を給料として妻に渡していたが、借金や仕事のうそが家族にばれることを恐れ家族を殺害し、自殺しようと考えたとした。弁護側は、強いストレスから心神耗弱状態で、責任能力は減退していたと主張した。29日の公判で弁護側は被告が心神耗弱状態だったとして精神鑑定を請求したが、地裁は却下した。30日の論告求刑で検察側は「妻子の人格を無視した身勝手極まりなく冷酷無比な犯行で、人間性のかけらもうかがえない」「強固な殺意に基づく残虐極まりない犯行。極刑も考慮されてしかるべきだ」と指摘し、無期懲役では軽すぎると強調した。その上で「家族5人のうち母と妹を失い、加えて父を極刑に処すれば、残された2人の子どもの悲惨さは言葉で言い表せない」と、死刑求刑回避の理由を説明。「生涯にわたり矯正施設(刑務所)で冥福を祈り、残された子どもらの苦渋を共に背負い、内省の日々を送ることが唯一の道、償いだ」と述べ、法律上認められた無期懲役刑の仮釈放を運用しない措置を求めた。同日の最終弁論で弁護側は「犯行当時はうつ病を発症し、心神耗弱状態だった。現在は真摯に反省し、悔悟している」と最終弁論した。米沢被告は最終陳述で「残された2人の子どもに責任はない。温かく見守ってほしい」と述べた。判決で山内裁判長は「仕事をせずパチンコに明け暮れ、無職で、給与と称して渡した金が借金であることが露見するのを恐れ、一家心中を企てた動機や経緯に酌量の余地はない。非情で残虐な犯行で、極刑も考慮される事案だ」とした上で「残された長女が『これ以上1人でも家族を失いたくない』と話していることなどから終生、罪の償いをさせるのが相当」と述べた。弁護側の心身耗弱主張に対して山内裁判長は「一家心中を選択したのは異常であるものの、起床順に殺害しようとした上、体格的に抵抗が予想された長男と長女には刃物を使用した犯行は計画的で合理的。直前まで異常な言動や様子も認められない」と退けた。検察側が事実上の「終身刑」を求刑した件については特に触れなかった。(無期懲役判決リスト 2008)


  • 最終更新:2010-08-04 01:54:15

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