2008.09.19 酒とパチンコに溺れ、強盗殺人を計画、実行

高知市の無職野田恵一被告は2008年9月19日午後1時半ごろ、高知市の自宅にいた金融会社副社長の女性(当時70)の背中や胸などを所持していた包丁で刺して殺害。現金約1000万円を奪った。野田被告は女性の金融会社から数回借金をしたことがあった。野田被告は現場から自転車で逃走。高知市役所の駐輪場に自転車を止めて県庁に行き、事前に申請していたパスポートを取得した。野田被告はタクシーに乗り換えて高知空港から大阪空港に飛び、関西国際空港を経て台湾に出国した。高知署の捜査本部は現場から野田被告の指紋を採取。20日、野田被告を殺人容疑で指名手配した。警察庁を通じ連絡を受けた台湾警察が10月9日、身柄を拘束した。21日、野田被告は国内へ移送され、逮捕された。現金は台湾での遊興費でほとんど無くなっていた。(無期懲役判決リスト2009年度)
2009年6月22日の初公判で野田被告は「事実関係に間違いありません」と起訴事実を認めた後、「遺族におわびしたい」と裁判長に訴え、土下座をしようとして裁判長に制止された。検察側は冒頭陳述で、野田被告は生活保護費を受けながら酒やパチンコに金を浪費し、周囲から借金を拒絶されるようになった2008年9月頃、強盗で大金を奪って国外逃亡することを計画したと説明。夫が金融会社などを経営する女性を狙い、自宅に一人でいることの多い昼間に犯行に及んだと指摘した。また、犯行後、返り血を浴びた服を現場で着替え、高知空港へ向かう途中にコンビニ店のゴミ箱に捨てていたことなどを明らかにした。そして簡易精神鑑定の結果、責任能力は認められるとした。弁護側は、野田被告が犯行までの約半年間、「抑うつ神経症」の診断を受け、治療を受けていたと説明。「犯行について一部記憶がないなど異常な心理状態で、精神の障害によって、自己の行為の善悪やそれに従って行動する能力が著しく劣っていた」と主張し、検察側が実施した簡易鑑定に対し、改めて精神鑑定するよう求めた。また、「通常では考えられない行動に及んでいる」として、臨床心理士による犯罪心理鑑定を請求した。7月8日の論告求刑で検察側は「金に困る生活に嫌気がさし、強盗をして大金を奪い、国外逃亡しようと計画した」と指摘。口封じのため、顔見知りだった女性を10回以上包丁で突き刺したとし、「強固な殺意に基づく残虐な犯行だ」と主張した。同日の最終弁論で弁護側は最終弁論で「精神面、心理面で万全の状態ではなかった」と心神耗弱を主張して寛大な刑を求めた。伊藤寿裁判長は判決理由で、「犯行は計画的かつ合理的で、了解不能な点は見当たらない。神障害を有していたが、軽度の症状で責任能力に影響するものではない。被告は完全責任能力を有していた」として、心神耗弱状態にあったとする弁護側の主張を退けた。その上で「大金を奪い、海外で豪遊しようと考えての執拗、残忍な犯行で、強固な殺意がうかがえる。被害者からお金を奪うために死なない程度に刺したり、国外逃亡した点からも犯行は計画的かつ合理的。酌むべき点はない」と指摘した。(無期懲役判決リスト2009年度)

  • 最終更新:2010-08-03 01:38:51

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